七高僧(親鸞聖人選定)の第一祖龍樹(ナーガールジュナ、Nagarjuna)は2世紀、南印度のバラモンの家に生まれ、バラモンの学問を習得したのち、仏教に辿り着き「空」の概念や「中論」を展開した。
当時、勃興していた大乗仏教の基盤となる『般若経』で強調された「空」を体系化した。この仏教の「空」から、7世紀にインドの数学者が0(ゼロ)を初めて定義した。
龍樹の主著には『中論』(『根本中頌(こんぽんちゅうじゅ) 』)、『空七十論』がある。全てのものには実体がなく空(空っぽ)である<無自性>という立場に立ち、大乗仏教は龍樹の影響下にあって、八宗の祖と讃えられている。
八宗とは八つの宗旨を表すのではなく、全ての大乗仏教の宗旨・宗派のことである。中国八宗と呼ぶ場合は、法相宗・禅宗・密宗・法華宗・天台宗・三論宗・律宗・華厳宗を指す。